神社仏閣に出向いて記念印として頂くのが御朱印ですが、お遍路の場合の御朱印は若干意味が違ってきます。
お遍路の場合は、御朱印の事を「納経印」と言って、江戸時代には写経した用紙を寺院に納めていたので「納経」と言い、その証として寺院から「印」を頂きました。
日本では人が亡くなると忌日と年忌という信仰があり、初七日から始まり三回忌で天国に召されるとされています。その節目に当たる法要では、それぞれのご本尊様から審判を受けると考えられています。
そこで、生前に悪事を働いていると地獄に落ちるという信仰です。
- 初七日:不動明王
- 二七日:釈迦如来
- 三七日:文殊菩薩
- 四七日:普賢菩薩
- 五七日:地蔵菩薩
- 六七日:弥勒菩薩
- 七七日:薬師菩薩
- 百か日:観音菩薩
- 一周忌:勢至菩薩
- 三回忌:阿弥陀如来
- 七回忌:阿閃如来
- 十三回忌:大日如来
- 三十三回忌:虚空蔵菩薩
お遍路は、八十八ヶ所の寺院を参拝しながら、生前にこれらのご本尊様に十善戒という戒律を守るという誓いを立てます。
そして、参拝した証として「三宝印」を頂く習慣があり、お遍路を何度も周回して「三宝印」を重ねて押す習慣もあります。
その様な信仰から、お遍路で使う納経帳は自身の命が尽きた時に「棺に入れる」習慣があります。
そして、生前に各ご本尊様の徳にあやかり、自身の善行を約束した証として納経帳と共に火葬を行います。
よって、お遍路の納経印と神社の御朱印を一緒の帳面で済ませるのは、少しもったいない気がします。
伊豆88遍路の納経帳
お遍路の場合、札所と呼ばれている寺院が決まっているので、多くの霊場と呼ばれている巡礼地では、専用の納経帳があります。
伊豆88遍路でも、公式の納経帳があるので、ぜひ、お買い求めいただいて、参拝を楽しんで下さい。
通販でも買えますし、伊豆の玄関口である「新東名高速道路の長泉IC」を降りて、20分程度の札所0番「三明寺」でお買い求めできます。
四国は書家と呼ばれている方々が納経所に待機していますが、伊豆をはじめ多くの地方霊場では寺院に書家がいることは珍しいです。
地方霊場では、ご本尊様を印刷した用紙を綴じた帳面で参拝することが一般的です。
伊豆88遍路でも、明治時代の納経帳用のご本尊が書かれた版画が見つかっていることから、版画で対応していた様子が伺えます。
どうしても手書きが欲しいという参拝者も見受けられますが、お気持ちは分かりますが、大切なことは「参拝」する事であり、その証として「三宝印」を頂くことだと感じています。
留守の寺院に関して
伊豆霊場振興会の公式納経帳であれば、留守がちの寺院の「三宝印」を押した用紙を預かっています。
例えば修禅寺などの寺院はお預かりしていませんが、多くの留守がちな寺院の用紙は預かっています。
普通に参拝をすると十カ寺~二十カ寺程度は留守になると思います。
最後に札所0番の「三明寺」で、白紙の用紙と寺院数の納経料と写真を見せて頂ければ差し替えができるので、参拝が済んでいるのであれば、無理な訪問をしなくても済みます。
※中には五十カ寺以上が留守だったと言ってきた参拝者もいますが、その様な場合はお断りしています。
※他の団体の納経帳や御朱印帳もお断りしています。
最後の結願寺で「結願証」も発行(有料)していただけるのでご安心ください。